アメリカは先進国の中でも人口が増加していることで有名です。このため、今でもアメリカは中国やインドに次いで、世界で3番目に人口の多い国としての地位を維持しています。, しかし、近年、アメリカの人口増加率は徐々に低下してきています。図表1に見られるように2018年(2018年7月時点)の人口増加率は0.6%にとどまり、1937年以来の低さとなりました。, 図表2にあるように、アメリカの合計特殊出生率は戦後低下を続け、1976年には1.7380を記録しました。その後、わずかに回復をしましたが、2007年に直近のピークである2.1200を記録した後、再び低下傾向を辿り、2018年には1.7655となりました。, アメリカの合計特殊出生率を人種別に見ると、かなり差があることが分かります。図表3にあるように、Hispanic やNative Hawaiian or Other Pacific Islander では2を超えており、比較的高いのに対して、White やAsianでは1.6前後と低くなっています。これは、長期的に、アメリカの人種別構成の変化をもたらすものと考えられます。, アメリカの合計特殊出生率は、2006年と2007年を除くと、1971年以降、人口置換水準2.1を下回り続けています。したがって、これだけをとれば、アメリカの人口がいずれ減少を続けてもおかしくはありません。, ただ、実際に減少するかどうか、あるいはするとしたらいつからかという点は、死亡率や移民の動向にも関わってきます。この二つが、これから述べる第2、第3の要因に対応しています。, アメリカの人口増加率低下の背景にある第2の要因は、アメリカの死亡率が増加傾向に転じていることです。, アメリカは高齢化が進んでいないので、死亡率は低下傾向にありました。このことは、これまで人口の増加に寄与してきました。しかし、図表4で見られるように、2010年を底に、最近は死亡率の上昇が見られます。, これに対応しているのが、アメリカにおける平均寿命の低下傾向です。日本のように、多くの先進国では、平均寿命の上昇が見られます。しかし、図表5が示すように、アメリカでは、2014年以降、3年連続して低下しています。このような継続的な低下は、第1次世界大戦の時期を含む1915年~1918年以来のことです。, 平均寿命の低下の理由としては、薬物の過剰摂取(特にOpioidsの)や自殺の増加などが挙げられています。これらの要因は、アメリカにおける労働参加率の低下の理由として挙げられているものとも重なり、アメリカにおいて広がりを見せている社会問題の一つとして注意しておく必要があります。, アメリカは、「人種のるつぼ」と言われてきたように、移民によって成り立っているとさえ言って良いような国です。, しかし、このところ、移民の流入が低迷しています。図表6が示しているように、合法的な移民流入は、2006年をピークに減少傾向に転じ、2013年以降しばらくは増加したものの、2017年にはまた低下をしました。そして、Brookings InstitutionのWilliam Frey氏の推計によると、2018年には、移民流入(非合法を含む)が70%減少したとのことです。このような大幅な下落は戦前の大恐慌以来のことです。この背景には、トランプ政権の移民政策が影響しているものと考えられます。, 以上のように、アメリカの近年の人口増加率の低下の背景には、①合計特殊出生率が2を下回る水準にまで低下をしていること、②死亡率が上昇していること、③移民純流入数も減少してきていること、などがあります。もしこれが続けば、いずれアメリカの人口は減少に転じることが考えられます。, アメリカ自身の人口予測や国際連合の人口予測は、アメリカの人口は増加を続けるものとしています。しかし、例えば、前者の場合、移民の出し手の国の人口予測や米国移民率など、供給側の要因に基づいて予測されています(U.S. Census Bureau, Methodology, Assumptions, and Inputs for the 2017National Population Projections, September 2018)。しかし、最近の移民政策を見ると、需要側の要因も重要で、これがむしろ移民抑制的に機能している可能性があると考えられます。この点を考慮しないと、アメリカの人口予測は非常に楽観的なものになってしまいます。, 人口は地政学上、大きな影響力を持っています。その人口が本当に減少することになるとすれば、経済的にだけではなく、政治的にも大きな影響をもたらすことになるかもしれないことには留意をしておく必要があると思います。, 日本経済研究センターは、1963年に日本経済の発展に寄与することを目的に事業を開始した非営利の民間研究機関です。学界、官界、産業界との幅広いネットワークを持ち、内外の財政・金融・経済・産業・経営などの諸問題について、調査・研究をしています。. 前述したように、「働き手不足」「経済の停滞」などの労働力人口減少によってさまざまな問題が起こることが予想されていますが、どのような対策を取れば良いのかについて以下でご紹介します。 ただ減少しているだけでなく、15~64歳の割合が大きく減少し、15歳未満の子どもも年々減少し続け、65歳以上が急激に増加しています。 これにより総人口に占める労働力人口の割合は、ほかの主要国と比較しても減少ペースが顕著に現れています。 U.S. Department of Education, Office of Vocational and Adult Education, 月刊誌ビジネス・レーバー・トレンド, 制度改正・最近の動向等(現在審議中の法案), フォーカス:掲載年月からさがす, フォーカス:カテゴリー別にさがす, 国別労働トピック:国別にさがす, 国別労働トピック:カテゴリー別にさがす, 諸外国に関する報告書:国別にさがす, 諸外国に関する報告書:カテゴリー別にさがす, 1996å¹´ ä¸æ³•ç§»æ°‘改正及び移民責任法(, 1996å¹´ å€‹äººè²¬ä»»åŠã³é›‡ç”¨æ©Ÿä¼šèª¿å’Œæ³•(, 1998å¹´ ç±³å›½ã®ç«¶äº‰åŠ›åŠã³åŠ´åƒåŠ›æ”¹å–„法(, 2000å¹´ 21世紀における米国の競争力法(, 2009å¹´ ã‚¢ãƒ¡ãƒªã‚«äººåŠ´åƒè€…を雇用する法(, 1,031,631人のうち、米国外在住で新規に取得した者が547,599人、短期就労査証からの変更(, 1863年設立の全米科学アカデミーの下で設立された。(. GDPと労働市場指標のかい離の背景の一つとして我が国の急速な少子高齢化による労働力の供給制約が指摘されることが多い。 我が国の15歳以上人口は2010年にピークを迎えそれ以降緩やかに減少しているが、15歳から64歳までの生産年齢人口はそれより13年前の1997年にピークの約8,700万人となって … 中国国家統計局は1月21日の定例記者会見で、2018年の経済統計について説明した。当局が雇用関連で言及する指標として、「都市部新規就業」(城镇新增就業)がある。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の政府活動報告で目標が発表される指標の1つでもある。2018年の実績は1,361万人で前年より10万人多く、2018年の目標1,100万人の123.7%に相当し、6年連続で1,300万人を上回ったとプラスの評価をしている(表参照)。 就業者数については7億7,586万人と実績が示されただけでコメントは何 … åˆçš„な調査研究を実施し、その成果を広く提供しています。, Immigration and Nationality Act Amendments of October 3, 1965, Immigration Reform and Control Act of 1986, Illegal Immigration Reform and Immigrant Responsibility Act of 1996, Personal Responsibility and Work Opportunity Reconciliation Act of 1996, American Competitiveness and Workforce Improvement Act of 1998, American Competitiveness in the 21st Century Act of 2000, Secure Borders, Economic Opportunity and Immigration Reform Act, S.1348, Border Security, Economic Opportunity, and Immigration Modernization, S.744, Immigration and Customs Enforcement :ICE, TITLE V—RESTRICTIONS ON BENEFITS FOR ALIENS. つまり、労働者が増えるか、労働時間が増えるか、労働生産性が増えればgdpは上がる。逆に減れば、gdpは減少する。 これまでの予測から生産年齢人口が大幅に減るのは確実であり、対策がないままでは、労働力人口も減ると考えるのが自然である。 Federal Reserve Bank of Atlanta (1997), How Has Immigration Affected the U.S. Camarota, Steven A. Copyright (c) Japan Center for Economic Research. SEC. 40年後には少子高齢化の影響で労働人口4割減. Econnomy?, Economics Update, Federal Reserrve Bank of Atlanta. 労働年齢人口の65歳以上人口に対する割合を示す潜在扶養指数は、全世界で低下を続けています。 今後の対応の方向性(2)担い手不足・人口減少の克服に向けて 8 平成の30年間で、共働き世帯は約1.6倍 に。共働き世帯中心へと転換。 人口減少下にあっても、労働力人口や就 業者数は1990年代後半の … 80歳以上の人口も、2019年の1億4,300万人から2050年には4億2,600万人へと、3倍に増えることが予測されます。 生産年齢人口の割合低下が社会保障制度に圧力. 特に、労働人口の減少がロボットや人工知能など新技術によって完全に代替される場 合、その経済成長へのマイナスの影響は新技術によって相殺されることを明らかにす る。この結果は、労働人口減少に対する悲観論に1つのアンチテーゼを提示するもの 501. Office of Immigration Statistics Homeland Security (2013) 2012 Yearbook of Immigration Statistics. (2013) The Fiscal and Economic Impact of Immigration on the United States, Center for Immigration Studies. 人口減少社会だからこそ米国株投資をはじめるべき理由をご説明します。 2045年までに約2000万人の人口減少が予測される日本 25年後、ほぼ確実に約2000万人が日本からごっそりいなくなると言われてい … MONGER, RANDALL AND YANKAY, JAMES U.S. (2013) Lawful Permanent Residents: 2013, Office of Immigration Statistics Homeland Security. 労働力人口減少への対策4つ. Lynch, Robert and Oakford, Patrick (2013) The Economic Effects of Granting Legal Status and Citizenship to Undocumented Immigrants, Center for American Progress, Martin, Jack and Ruark, Eric A. Peri, Giovanni (2009) The Effect of Immigration on Productivity: Evidence Frome US States, NBER Working Paper 15507. 米国労働市場の新型コロナからの回復は道半ばの記事ならニッセイ基礎研究所。【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。 アメリカは先進国の中でも人口が増加していることで有名です。このため、今でもアメリカは中国やインドに次いで、世界で3番目に人口の多い国としての地位を維持しています。 しかし、近年、アメリカの人口増加率は徐々に低下してきています。図表1に見られるように2018年(2018年7月時点)の人口増加率は0.6%にとどまり、1937年以来の低さとなりました。 このような人口増加率の低下の背景には、三つの要因があったと考えられます。 Hanson, Gordon, (2005) Examining the Economic Impacts of Immigration, Hanson, Gordon H. (2007) The Economic Logic of Illegal Immigration, Council on Foreign Relations, Holtz-Eakin, Douglas (2013a) Immigration Reform, Economic Growth, and the Fiscal Challenge, American Action Forum, Holtz-Eakin, Douglas (2013b) Study: Immigration Reform, Economic Growth, and the Fiscal Challenge, American Action Forum. 長期的な見通しでは、40年後の労働人口が現在よりも4割減少すると予測されています。具体的には、2020年には6404万人いる労働人口が、2065年には3946万人にまで減少します。 最近、来るべき人口減少時代においては、労働力不足への対応、国民年金制度等の担い手の確保などの理由から、多数の外国人を受け入れる必要があるという意見が産業界の一部から出ている。 政府の試算によると、日本の労働人口は2040年までに1,200万人も減少する可能性があります。つまり、労働人口が約20%減ることになります。厚生労働省の予測では、日本の生産年齢人口は2017年の6,530万人に対し、2025年の時点で6,082万人、さらに、2040年にはわずか5,245万人にまで減少すると … アメリカの外国人労働者受入れ制度は二つに分かれる。 一つは移民として永住権を付与するものであり、もう一つは、期間を限定した就労を目的に査証(ビザ)を発給するものである。このうち、永住権を付与する数がビザを発給する数を上回っている。2012年の永住査証の発給数は103万1,631、短期就労査証の発給数は61万1,912だった。 査証の期限が切れた後も国内に不法に滞在している、もしくは査証を持たずに入国して就労している労動者の数が政治的な論点となるほど多いという特徴もある。2007年か … 2045年には2億人減です。人口が増え続けて行く米国を、現役人口が大きく減る中国が経済規模で抜き去るなど不可能です。 国家統計局発表では中国の労働参加率は上昇していると誇っていますが、就業人口もついに下がり始めました。 BAKER, BRYAN AND RYTINA, NANCY (2013) Estimates of the Unauthorized Immigrant Population Residing in the United States: January 2012, Office of Immigration Statistics Homeland Security. 労働力人口の減少にともない、人数自体が足りていないケースもありますが、「熟練の従業員がいない」状態を指す人手不足もあるでしょう。 経営者が求める理想のスキルを有した、熟練従業員が不足して … Immigration Policy Center (2014) An Immigration Stimulus, : The Economic Benefits of a Legalization Program. 第Ⅰ-2-2-1図は、我が国、米国及びドイツの生産年齢人口と資本ストックの推移を見たものである。 生産年齢人口は2030年までの将来推計も併せて示してある。 ... このように、人口減少下の国では、労働投入の経済成長への寄与は低下せざるを得なくなる。 (2010) The Fiscal Burden of Illegal Immigration on United States Taxpayers, Federation for American Immigration Reform. 2017 年に900 万人(米国の全労働力人口の5%)に達し、将来の米国社会を担う存在として注目されてい る。 Pew Research Center のプレジデントMichael Dimock 氏は、「成人期を迎えるポストミレニアル … Peri, Giovanni (2010) The Effect of Immigrants on U.S. Employment and Productivity, Federal Reserve Bank of San Francisco, Economic Letter, Aug. 30, 2010. All Rights Reserved. EXCEPTION TO INELIGIBILITY FOR PUBLIC BENEFITS FOR CERTAIN BATTERED ALIENS. 生産年齢人口の減少は当然ながら労働人口の減少に直結する。 工業化の過程で農業部門の余剰労働力が尽きて、賃金が上昇し始める、いわゆる「ルイスの転換点」は既に通過したものと見られていたが、今回の公表で生産年齢人口の減少も確認された。 The Fiscal and Economic Impact of Immigration on the United States, Gordon Hanson「The Economic Logic or Illegal Immigration」, Americas Society/Council of the Americas (AS/COA) and Partnership for a New American Economy (PNAE), (2013), NEW DATA SHOW IMMIGRATION ADDED $3.7 TRILLION TO U.S. HOUSING WEALTH, Analysis of U.S. Census Data by Americas Society/Council of the Americas and the Partnership for a New American Economy Finds That Immigration Helped Stabilize Communities Where Home Prices Have Declined.