ドイツや近隣のヨーロッパ諸国では、すでに19世紀より、少子・高齢化の傾向が見られる。 確かに、第2次世界大戦後にはベビー・ブームが到来し、出生率が若干回復しているが、安全・確実な避妊具の利用が普及した1970年代以降は再び低下している。 日本、ドイツ、イタリアの少子高齢対策を、ジェンダーの視点から比較した共同研究。家族主義、全体主義、その他文化的な共通性をもちながら、欧州統合を背景にジェンダー平等と少子化への取り組みで一歩先をゆく独・伊を鏡に、日本の今後の課題を照らし出す。 2006. 各国の介護事情は国によって異なります。どんなところが日本と違うのか?それぞれの介護事情とこれからの介護政策を考えてみます。資格取得を目指すなら【ケア資格ナビ】!全国の講座料金を一覧比較して資料を無料一括請求。電話受付:0120-421-294 高橋 真樹 2019.9.28, supported by greenz people / 高齢化社会への対策とは?今、何をすべきなのか. 今の日本は「少子高齢化社会」です。出生率が低下している中、高齢者の割合が著しく上昇しているので、2030年には、日本人口の3分の1が高齢者になると言われています。これを2030年問題というのです。当然 Whitehouse, Edward. ドイツニュースダイジェストに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
街区の緑化、4. Washington, D.C.. Bundesversicherungsanstalt für Angestellte. World; ドイツの大学授業料、留学生も無料 卒業生4割が5年納税でペイ 少子化対策になる? Jun 21 2015 超高齢化社会を迎えた日本。平均寿命は男性が80.5歳、女性が86.3歳と過去最高を更新しました。平均寿命は年々右肩上がりで上昇しています。一般的な定年退職年齢と言われる60歳を超えても、 … Deutsche Rentenversicherung Bund. 当ウェブサイトに掲載されている広告は、必ずしも弊社の見解(政治観・宗教観等)を反映するものではありません。また弊社はその内容に対し、責任を負いかねますのでご了承ください。 Copyright © // Doitsu News Digest GmbH. [CDATA[
高橋 真樹, 人口減少と高齢化、貧困の連鎖、コミュニティの崩壊、老朽化したインフラ…日本社会にはさまざまな課題が山積しています。しかもこれらの課題は相互に複雑に絡み合っているため、個別に対策を立てても簡単に解決できるものではありません。, ドイツでは、複合的な問題に対して個別にではなく、交通やエネルギー問題も含めて新たな都市計画を設定し直すことで、総合的に改善させる取り組みがはじまっています。高齢化や極度の貧困などにより、多方向から文字通り”見捨てられて”いた旧東ドイツの時代の巨大団地群。そこを活気あふれる街に生まれ変わらせるための、持続可能なまちづくりを取材しました。, ドイツの首都、べルリンから列車で西へ約30分、ドイツ統一前は旧東ドイツに属していたポツダムという町があります。第二次世界大戦の末期、日本に無条件降伏を迫る「ポツダム宣言」が出されたことで知られる古都です。, ポツダム市の現在の人口は、およそ17万人。観光地にもなっている美しい旧市街などを中心に、比較的裕福な世帯が暮らしています。しかし、市内には貧困地区もあります。, ポツダム市のドレヴィッツ地区は、1980年代後半、旧東ドイツ時代に建設され、東京ドーム約8個分という広大な敷地にプラッテンバウ(板状集合住宅)と称される団地が林立するエリアです。, 1988年当時のドレヴィッツ。左側に伸びる中央通り沿いは自動車で溢れている(©Landeshauptstadt Potsdam), 1990年に東西ドイツが統一されると、富裕層や若者は次々と地区を離れ、母子家庭や高齢者が取り残されました。また逆に、家賃の安さから移民出身者の割合が増えました。現在はおよそ3,000世帯、5,600人が暮らし、失業者や生活保護世帯などの貧困層の割合も多くなっています。アルコール依存症や健康問題を抱える住民も多く、近年では建物が老朽化し、治安の悪化も懸念されるようになってきました。, 貧困は子どもたちの暮らしも直撃します。ドイツでは、発育状態や言語の習得状況によって小学校の入学年齢が変えるシステムを採っており、この地区では子どもに十分な食事を与えていない家庭も多く、体が未発達なことで小学校に入学できない子がおよそ3割にも達していました。この地区はいつしか、ポツダム市民から「あそこはポツダムではない」と蔑まれるようにまでなっていました。, ドレヴィッツ地区の集合住宅のおよそ5割は、ポツダム市が100%出資するプロポツダム住宅公社が所有しています。現在ドレヴィッツ地区の改修プロジェクトを担当するグレゴール・ハイルマンさんは、改修前の町の様子をこのように言います。, 子どもたちを取り巻く深刻な状況を私に訴えてきたのは、小学校の先生たちでした。しかも年々悪くなる一方だと言うのです。その責任は、この地区の都市計画を担当する私たち公社にある、と責められました。先生たちの言う通り、この地区ではさまざまな問題が放置されていましたから、私たちも何かしなければという気持ちにさせられました。, この、”見捨てられた貧困地区”を大改修して、街に希望を取り戻すプロジェクトが持ち上がったのが2009年のことでした。, ポツダム市の都市計画部門で働くカリン・ユハスさんが、ドイツ連邦政府が主催した「都市の改修」に関するコンペに参加し、ドレヴィッツ地区の再開発案を提案したのです。, ドイツでは、気候変動対策やエネルギーの自立を達成するために、国家レベルで地域の再開発や、建物の省エネ改修が熱心に進められています。このコンペも、街の環境・エネルギー分野の改善を目的として、提案がコンペで受賞すると助成金が出ることになっていました。, しかし、改修案を提案したユハスさんを突き動かしたのは、エネルギー問題よりもむしろ貧困問題、特に子どもたちをめぐる状況への危機感でした。, 低所得者にも快適な環境に暮らし、教育を受け、差別されずに生きる権利があります。家庭環境が違っても社会的に排除されない地域にしたい、と考えたのです。, ユハスさん自身、旧東ドイツ時代のポツダム出身で、まだ、ポツダム全体が貧しかった時代を生きてきたことから、貧困のまま取り残されている人々のことが他人事ではなかったのです。, 応募するにあたり彼女は、市や民間企業の関係各所を口説いてまわりました。コンペにはドイツ全土から多数の提案が寄せられるため、当時はまさか受賞するとは誰も考えていませんでした。ところが大方の予想を覆して、100件近い応募の中からユハスさんのアイデアは見事、銀賞を受賞します。, これにより、連邦政府からドレヴィッツの一部地域を改修する目的で助成金が出ることになりました。それは同時に、ポツダム市も支出を求められること、市として名乗りを上げたからには本当に実行しなければならないことを意味していました。, 周囲の予想に反したこの受賞は、アイデア段階では賛同していた市の職員や政治家から「まさか通るとは思わなかった!」と、受賞後になって反対する人も出ました。当時の市長ですらプロジェクトの成功に懐疑的で「貧困層が住む場所は、そのままでもいいのではないか」と主張したそうです。, ユハスさんは「公正な環境をつくることは、私たちの義務ではないでしょうか?」と反論。またこの議論は、行政内部だけでなく、地元企業など関係各所でくりかえされ、最終的には、一部の地域だけでなく、老朽化したドレヴィッツ全体を改修する事業へと広がることになったのです。, プロジェクトは、彩りのない寂しい街区を緑であふれさせることをめざし「ガーデンシティ・ドレヴィッツ」と名付けられました。, 主な改修の柱は4つです。1. ドイツは、少子化対策についていえば、先進事例としてみられていない。なぜなら、フランスと異なり、ドイツの出生率は長らく低迷していたからである。ドイツの期間合計特殊出生率は、1995年に1.2と、oecd諸国での最低を記録した。 q6 少子化対策に成功している海外の事例はありますか。 A6 北欧諸国やフランスなどでは、政策対応により少子化を克服し、人口置換水準近傍まで合計特殊出生率を回復させている。 2005. 人口減少と高齢化、貧困の連鎖、コミュニティの崩壊、老朽化したインフラ…日本社会にはさまざまな課題が山積しています。しかもこれらの課題は相互に複雑に絡み合っているため、個別に対策を立てても簡単に解決できるものではありません。 調査対象:我が国同様、人口の高齢化に直面 し高齢者雇用対策を実施しているEU、アメ リカ、イギリス、ドイツ及びフランス 海外情勢報告は、労働及び社会保障 1た。おける高齢者雇用対策」をテーマにしるものである。 ドイツはかつてイタリアやスペイン等と並んで、合計特殊出生率が1.5を下回る、ヨーロッパの中では低出生の国であった。しかし、近時ドイツの出生率や出生数は増加傾向にあり、ドイツ連邦統計局によれば、2016(平成28)年の出生数は79万2,131人で、2015(平成27)年に比べて5万4,556人(7%)増と5年連続で増加し、1996(平成8)年の水準に達している。 このうち、母親が外国人である子供の数は18万4,661人と、2015年に比べて25%増加しており、伝統的に出生率の高い国(シリア、イラク、 … 1.ドイツにおける空き家の状況 ドイツでは、1990年代後半から人口が 頭打ちになり、総人口は2003年をピーク に減少傾向が見られ少子高齢化も進展し ている。2013年では60歳以上の人口比 率は27.1%と高く、20才未満人口は 18.1%、合計特殊出生率は2012年で1.38 高齢社会や超高齢社会という言葉が現在の世界や日本で使用されています。これに加えて高齢化社会と言う言葉もありますが、似たような言葉であることから、その定義をはっきりさせておく必要があります。 この高齢化社会や高齢社会は1950年代の国連の定義に基づいているという意見もありますが、明確な定義を行ったという記録は存在していません。 日本政府の見解でも、高齢化社会という用語は1956年の国連報告書におい … All Rights Reserved. 高齢化社会や高齢社会、超高齢社会という言葉が世界中で使用されていますが、この言葉には国際的に明確な定義はありません。 日本政府は、高齢化社会という用語は1956年の国連報告書において、当時の欧米先進国の水準を元にしながら、仮に7%以上を「高齢化した(aged)」人口と呼んだことに由来するのではないかとされており、高齢化率は国際的に共通した尺度として使用されています。 この高齢化率というのは0~14歳 … supported by greenz people 少子化や人口停滞を克服してきた先進国であり、その対策は日本の 参考になる。 イタリア 60.55; 百万人, 1.93兆usd 農山村では過疎化が進行し、空き家が増えて、日本の過疎地域と同 様の課題を抱えている。過疎対策として、分散型ホテル(アルベル Retirement-Income Systems in 53 Countries. しだ。人口の少子・高齢化現象に伴い生産年齢人口でも高齢化が進むことになり そうだ。 表2 ドイツ人口の推移:2002年/2050年(2001年12月31日を基準) *予測 ドイツ人口の推移(生産年齢人口/総人口) 2002. Altersvorsorge - heute die Zukunft planen. 「いかしあうデザイン事例集」プロトタイプ版完成!greenz people入会でプレゼントします!, 日本の地域を「サーキュラーヴィレッジ」化する。リサイクル率No.1の町がこれからはじめること, 1.7K Die Zeit.04/2006, 11/2007. 米国保険業界が設立した非営利団体『The Insurance Institute for Highway Safety(米国道路安全保険協会)』の調査によると、30~59歳よりも70歳以上の高齢ドライバーが事故を起こす確率は高くなっているものの、衝突相手や歩行者など負傷者を出す確率は30~59歳よりも低いという結果が出ています。 日本には、自動車事故の年代別調査はありますが、アメリカのように道路状況や歩行者の様子まで細かく調査したものはな … 少子高齢化とは出生率(子供が生まれる人数)が減る一方、医療の発達により平均寿命が延びたことが原因で人口全体を占める子供の割合が低下(少子化)し、 65歳以上の高齢者の割合が高くなること(高齢化)をいいます。 ちなみに「少子高齢化」とよく言われていますが、現在日本では世界で例をみないほど少子高齢化が加速していることから“超少子高齢化”とも言われています。 ヨーロッパ全体が、少子高齢化の波に飲まれており、ドイツもその例外ではない。成熟した社会では産めよ増やせよの政策が成り立たず、日本と同様に人口が減少することが危惧されている。ドイツの人口は2015年は8136万人。2002年にピークを迎えて以降、減少傾向をたどっている。 2011年の国勢調査で、約150万人(1.9%)の人口が統計上過大だったことが判明したことを除けば、総人口は概ね一定数で推移しているが、問題は少子化の影響により社会の高齢化が進んでいることである。 下記は、ドイツの … 駐車場の削減と公共交通の充実、3. The World Bank. 日本も人口減少、少子高齢化社会。 ドイツのしたたかな考えを取り入れる時かもしれない。 「WEDGE Infinity」の 新着記事 などをお届けしています。 「少子化に対して危機感を覚えているか」と尋ねる調査が行われたところ、「非常に危機感を覚える」と回答したのは39.9%と最も多く、「やや危機感を覚える」の32.9%と合わせると7割以上の人が少子化に対して危機感を抱いていることが分かった。 少子高齢化が進行中の先進国において、年金の財源確保は、頭の痛い問題である。殊にドイツのような現役世代の保険料で年金を支える制度においては、社会の高齢化は直接保険料率の上昇に結びつく。ドイツの保険料率は現在19.9%。若い世代や企業からこれ以上の保険料を徴収できない域にまで達したともいえる。このような状況下で、ドイツでも公的年金の支給条件の厳格化が徐々に進んでいる。年金をめぐる最近の動きと、日独の2国間協定もふまえて、在独日本人として知っておきたい近年の制度変更内容とその影響を探ってみた。, 他方、同時期にちょっとした朗報も聞かれた。年金支給額が今年7月から0.54%ほど引き上げられる。ドイツの年金のスライド調整は物価ではなく、賃金上昇率を基準に算出される。ドイツでは失業率がここ何年も10%超の高水準を維持。最近は事業拠点の国外移転などを背景に、賃金も伸び悩んでいた。2005年から年金受給者と保険料支払い者の人数比も考慮されることになったという要因もあり、過去3年間支給額が据え置かれていた。0.54%というと、標準的支給月額の1100ユーロの場合で5.94ユーロしか増えない。それでも年金受給者の団体は「これで満足とは言えないが・・・」と前置きをつけながらも、歓迎の意を表している。, 年金支給開始年齢は引き上げられ、年金支給額は停滞気味。その結果として、年金水準(Rentenniveau→用語解説)が年々落ち込んでいる。2006年に年金支給開始年齢に達した人の年金水準は52.2%。2019年には46.3%になると06年政府年金保険報告書は伝えている。またシュピーゲル誌オンライン版(08.03.2006)によると、2030年には43%以下まで落ちる可能性も示唆されている。, 少し前まで、ドイツといえば豊かな年金生活が送れる福祉国家、というイメージがあった。実際1990年代などは手取りの年金水準が70%を超えていた時期もあり、公的年金さえあれば老後は安泰、と国民は大きな信頼を寄せていた。, しかし公的年金だけに頼りきりの現況のままでは、年金水準の低下する将来、高齢者の貧困化が懸念される。打開策として連邦政府は、確定拠出型の個人年金である「リースター年金(Riesterrente→用語解説)」の助成策をはじめ、企業年金の強化策も推進している。, 先頃はシュタインブリュック財相が「休暇旅行よりも老後の蓄えを」と呼びかけて一部から批判を浴びるという一幕もあったが、その一方で豊かな余生を送るためには自助努力が欠かせないとの意識が国民の間に徐々に広がりつつある。, さて、これらドイツの年金事情は、ドイツに住む日本人にはどのような影響があるのだろうか。, ドイツと日本の間には「日独社会保障協定」というものがある。これは、各外国で一定期間働く日本人およびドイツ人を対象に、各外国での年金支払いおよび受給に関して規定している。同協定の目的は不要な年金二重加入の防止。これによれば、原則5年以内の短期間、期限付きでドイツに派遣されている日本人は、在独中も日本の年金制度対象者であることを証明する「適用証明書」を日本の社会保険事務所から発行してもらっていれば、年金保険料の支払いを免除される。よって短期の派遣の場合、日本の年金を払い続けている限り、ドイツの年金に加入する必要はない。, 無期限で長期ドイツに派遣されたり、現地社員として採用された日本人には、ドイツで年金加入義務が発生する。そして60カ月以上の加入期間があれば、ドイツの年金支給年齢に達すると受給資格を得る。受給額は、所得と支払った期間の長さ等に応じて決まり、当然ながら長ければ長いほど多くなる。またドイツで年金を支払った期間は、日本の年金の加入期間としても認められ、逆も然りだ。受給条件は、ドイツで払った分はドイツの方式で、日本で払った分は日本の方式に従って決まる。ドイツの支給開始年齢の引き上げや年金支給額の上昇率は、このようにして在独日本人にも影響してくる。, ちなみにドイツ年金の受給手続きは日本で行えるが、その際には社会保険番号(Sozialversicherungsnummer)が必要になる。同番号が記載されている社会保険カー ドなどをしっかりと保存しておくことをお勧めする。, ドイツでの年金加入期間が60カ月に満たない場合は、支払った保険料を後日還付してもらうこともできる。保険料率(現19.9%)の高さと年金水準の低下を考えると、払い戻しを受けて自分で運用する、という選択肢も魅力的に映ってくる。, ここで注意したいのが、ドイツも年金保険料は労使折半であることから、戻ってくるのは給料から源泉徴収されている被雇用者負担分のみ、ということだ。受給額の方は、雇用主負担分と合わせた倍額の保険料が反映される。連邦ドイツ年金保険組合の担当者はまた「還付をうけてしまうとドイツで年金保険料を支払った事実が帳消しになります。将来再びドイツで仕事をする可能性がある場合は、還付を受けずにドイツの年金の加入期間を増やした方がよいケースもあるので、よく考えて」と助言をする。将来の受給予想額は、各都市にある連邦ドイツ年金保険組合(DRV)の事務所で教えてもらえる。, 日本の年金加入期間自体は、日本の社会保険庁によれば「20~60歳の日本国籍の方であれば、海外滞在期間はカラ期間として合算対象期間になります」とのこと。よって年金受給額が増えはしないが、ドイツの年金保険料の還付により日本で年金加入年数が減じる、という心配はない。, ちなみに還付の申請は、2年の待機期間を待って行うのが原則だそうで、すなわち日本に戻ってから、ということになる。連邦ドイツ年金保険によると、日本の社会保険庁などで相談を受けながら日本からも申請でき、「わざわざドイツに戻る必要はありません」。還付額も日本の銀行口座に振り込まれる。, 日本人といえども、ドイツで仕事をしていれば、原則的にはドイツの年金へ加入することなる。受給資格が発生し、退職後長い年月にわたり収入に影響してくる。支給条件は厳しくなる一方であると考えられることから、うっかりしていると後で取り返しのつかないことになる可能性もある。日独両国の重要な制度変更にはしっかりと目を光らせ、対策を打っていきたいものである。. supported by greenz people 3. ● 参考文献
建物の省エネ改修、2. 地区のエネルギーを100%再生可能エネルギーでまかなうための設備の設置など。同時に、高齢者や障害者にも等しくやさしい街にするため、それまでほとんどなかったスロープやエレベーターが設置されることも決まり、工事は2011年から2027年までの予定で現在も進行中です。, プロジェクトの資金は、エリアにもよりますがおよそ3分の1がEUやドイツ連邦政府からの助成、もう3分の1がポツダム市やドイツの国営金融機関であるドイツ復興金融公庫(KFW)からの融資、そして残りの3分の1がドレヴィッツ地区で半数以上の建物を所有するプロポツダム住宅公社が出資することになっています。, 初期投資は巨額ですが、再エネと省エネの推進や、地域の付加価値を高めることで、居住性を高めながらランニングコストを減らし、将来の行政の負担を減らす効果が望まれています。, しかし既存の街並みを大きく変える開発に、住民から反対の声も出ます。大きな懸念は2つありました。, ひとつは、大規模改修することで家賃が高くなり、改修後に住めなくなるのでは、という不安です。実際、2000年代後半に入り好景気をむかえたドイツ各地では、「ジェントリフィケーション」と呼ばれる再開発による地区の高級化が進み、貧困層は移住しなければならなくなるケースが相次いでいたのです。, もうひとつは駐車場問題。自動車大国のドイツでは自家用車の所有率が高く、これまでは各地で車道中心の都市計画が進められてきましたが、駐車場を多くすることで、土地利用には大きな制限をかけてしまいます。ドレヴィッツも団地群の中心を走る中央通りや、ロの字型に配置された団地の中庭部分など、ほぼすべての空間に駐車場が設置され車で埋め尽くされていました。, しかし現在、ドイツに限らず欧州の各地において、このような自動車中心の社会がもたらす弊害に目が向けられ、都市計画を再検討する傾向にあります。ドレヴィッツのプロジェクトでも子どもや高齢者の安全や憩いの場の確保、そして駐車場を縮小してカーシェアリングが増強されることなどが計画に含まれていたのです。, そのため、それまで団地の目の前に自家用車を停めていた住民からは、駐車場が減ったり遠くなると不便だ、という声があがり出したのです。また、それまで貧しい状態でも放置されてきた住民の、行政に向けられた疎外感や不信感もそうした反対意見を支え出しました。, では、このような反対意見とどう向き合ったのでしょうか? 日本でも、再開発にあたり行政主催の公聴会が開催されますが、大抵は形ばかりの説明で、住民の意見を取り入れて計画が変更されるケースはほとんどありません。, しかしドレヴィッツの場合は違いました。ポツダム市、プロポツダム住宅公社、そして住民がよりよい地域をつくるために意見を述べ合う対話集会は、1年間でなんと60回以上にも及びます。集会では「住民にこの地域で何が必要かを聞く」「住民が望まないことはしない」という方針が徹底的に貫かれ、住民からのアイデアを積極的に募りました。, こうした行政や事業者の姿勢に、多くの住民は徐々にこのプロジェクトが、「本当に自分たちのために行われている」と感じられるようになったと言います。, 反対意見からの2つの課題、家賃と駐車場について、議論の結果はどうなったのでしょうか。, まず家賃については、平均収入以上の家庭では値上がりになりました。しかし、壁や窓を高断熱化して冬の光熱費が半分で済むようになるので、トータルの支払いは相殺されました。収入が少ない家庭は安い家賃で住み続けられるよう国から補助が出るため、新たな負担はほとんどありません。工事中の移転のための費用も、自治体が補填することになりました。, 2019年現在までに、プロポツダム住宅公社が担当する1,650世帯のうちすでに35%程度の建物の改修が完了していますが、改修前に住んでいた人の9割の住民が、改修後も地区に戻っています。, 駐車場問題についての議論も繰り返し行われましたが、最終的には子どもたちの声が方向性を決めました。子どもたちに意見を聞いたところ「団地のそばには駐車場よりも公園が欲しい」という声が圧倒的だったからです。親たちは、少々不便になっても駐車場まで歩いていけばいいのではと考えるようになりました。, 幸いドレヴィッツでは、徒歩圏内に小学校や病院などがあります。また、公共交通も充実していました。特に中央通り沿いに路面電車がおよそ10分おきに走り、ポツダム中心部への移動には不便しません。さらに、カーシェアリングやレンタサイクルの数を増やし、自転車道路を整備することも決められました。エリアの一角には駐車場が設けられましたが、こうした施策によって、現在は住民のマイカー所有率が低下しています。, 建設工事が始まってからも、開発に反対を言い続ける住民はいました。ターニングポイントになったのは、2013年に中央通り沿いに伸びる公園が完成したときのことです。, 自動車の減った通りには緑が植えられ、散歩道や子どもの遊び場ができました。そこに、対話集会で子どもたちがアイデアを出した、トランポリンやシーソー、水遊びができる水路など、オリジナルの遊具が並びました。ベンチのひとつひとつまで、この公園のために設計されたオリジナルのものです。, 緑の中で子どもたちがはしゃぐ姿を見て、大人たちは地域の生活環境が改善されていることを実感するようになりました。また、自分の街にしかないオリジナルのものに囲まれて暮らす事で、「自分たちの街」というアイデンティティを持てるようになったと言います。公園はまた、行くあてのなかった高齢者にとっても憩いの場所となりました。, 公園エリアでは、文化的なイベントがたびたび開催されるようになりました。ドレヴッツでは住民同士のつながりが希薄でしたが、公園ができてイベントが行われるようになったことで、近所の人と頻繁に顔を合わせるようになり、地域にコミュニティが生まれました。, 子どもたちの教育環境も改善されます。まず小学校では地元のNPOがファンドを集め、子どもたちに無償で朝食を配布するようになりました。そして小学校と同じ建物内に、コミュニティセンターと音楽ホールが併設されます。地域にはこれまで人が集まる施設や、文化的な施設がなかったため、住民から歓迎されました。, コミュニティセンターは、住民が家庭や地域の悩み相談をしたり、主体的に街づくりを進めるためのアイデアを持ち寄る場になっています。音響設備の充実した音楽ホールでは、ポツダム市フィルハーモニーのメンバーが無料の演奏会や子ども向けのワークショップを実施しています。, 改修された小学校。中央にはコミュニティセンター(下部)と音楽ホール(上部)が増設された。, コミュニティセンターや音楽ホールのプログラムを管理する地元のNPOスタッフで、ポツダム市民でもあるティム・シュポットビッツさんは言います。, 新しい施設を活用することでコミュニティが豊かになりました。学校の授業では心を開かなかった子どもが、音楽ワークショップを通じて自分の意見を積極的に言うようになったり、落ち着かなかった子が静かに音楽を聞けるようになっています。今では、ドレヴィッツに住むことを誇りに思うようになった人もたくさんいるんですよ。, フィルハーモニーと子どもたちが一緒につくり上げたオペラを鑑賞する。(©Kammerakademie Potsdam), 筆者は公民館や音楽ホール、公園という場を活かしたまちづくりを見て、建築などのハード面と、コミュニティをつくるソフト面のバランスが上手に組み合わさっているという印象を受けました。日本の場合、立派な公共施設をつくったり、一日限りのイベントに力を入れる自治体は多いのですが、それがバラバラに行われてうまく連携していない事が多いようです。ハードとソフトが連携してこそ、地域に根付く取り組みになると感じさせられました。, ドレヴィッツの再開発プロジェクトには、国や市からの助成金も投入されていますが、結果的には市にとってもメリットが返ってくる仕組みになっています。かつては空き家も多く、銀行の査定でも毎年のように地価が下がっていました。しかし改修を始めてからは入居者が増え、地域の経済的価値も上がりました。また、改修や建設工事を地元工務店が行うことで、地域内に雇用を生んでいます。, プラスに転じたのは、財政的な面に限りません。見えにくい社会的コストを減らしている効果も出ています。貧困地域では、社会福祉の増加により多くの税金が使われています。貧困が改善されたり、孤立していた人々がつながり合うようになることで、支出しなければならないコストを減らす役割が果たせます。, また、貧困地域では治安の悪化も起こりやすかったり、移民出身の若者が社会に見捨てられたと感じることが、将来的にはテロにつながる危険性もあります。街の改修により、「自分たちは見捨てられてはいない」と感じる人々が増えることは、広い意味での貧困対策やテロ対策にもつながるのです。, ドレヴィッツのプロジェクトを主導してきた広報機関の代表であるカーステン・ハーゲナウさんは、このように言います。, 私たちの社会は、社会層や背景の異なる人たちと切り離されて構成されているわけではありません。, コミュニティセンターで開催されている絵画のワークショップ。小学生の子どもたちが出したアイデアをもとに、女性たちが大きな絵を描き、地域にできる施設にプリントする。, 日本では、貧困地域に税金を投入して状況を改善しようとなれば、市民から理解を得るのも簡単ではないでしょう。しかし、ハーゲナウさんの言うように、私たちたちが抱える社会の問題は貧しい地域を切り離してもなにも解決されません。, もちろん、ドイツでもこうしたプロジェクトに批判的な市民は一定数存在します。それでも、大多数の市民はこのような貧困地域の環境が改善され、貧困の連鎖を断ち切ることが、自分たちにとってもいずれプラスになると感じて基本的には多くが賛同しているのです。, 市民のアイデアを反映させながら、新しい価値を生み持続可能な地域をめざす「ガーデンシティ・ドレヴィッツ」の取り組み。少子高齢化や貧困、建物の老朽化に頭を悩ませる日本の団地や公共施設でも、参考にすることができるのではないでしょうか。, 世界70ヶ国以上をめぐりながら、持続可能な社会を目指して取材を行い、雑誌、新聞、WEBメディアなどで執筆中。省エネ生活を求めて、2017年からはドイツ仕様のパッシブハウスで暮らしている(ブログ「高橋さんちのKOEDO低燃費住宅」で連載)。著書に『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)、『そこが知りたい電力自由化—自然エネルギーを選べるの?』(大月書店)、『観光コースでないハワイ』(高文研)、『ぼくの村は壁に囲まれた〜パレスチナに生きる子どもたち』(現代書館)ほか多数。「全国ご当地エネルギーリポート」でも連載中(リンク参照)。, NPO法人グリーンズが運営する非営利メディア「greenz.jp」は「greenz people」のみなさんから寄付会費をいただき、記事や連載づくりをしています。これからも「ほしい未来」をつくるヒントを発信していくために、読者と一緒にウェブマガジンをつくっていきます!, キノマチ会議 / 少子高齢化が進行中の先進国において、年金の財源確保は、頭の痛い問題である。殊にドイツのような現役世代の保険料で年金を支える制度においては、社会の高齢化は直接保険料率の上昇に結びつく。 Berlin.